「日本の針(和針)は丸穴」という昔からの概念を改革したダ円穴。ダ円穴によって、穴の両側を厚くして強度を持たせつつ、縦を長目にして面積を大きくしています。
ダ円の形と美しくなめらかな仕上げで糸がスムーズに通ります。また、上部に糸溝を設けることにより、運針する際の布抜けもスムーズです。
針穴(耳)の部分に純金メッキを施しました。これは、柔らかい金属という金の特徴を活かして糸のあたりをソフトにし、糸切れをしにくくするための工夫です。
また、金耳針(きんみみばり)は、このこだわりから名前をつけました。
鋼(はがね)は「焼入れ」によって硬く、「焼戻し」によって柔らかくなります。素材の特性を十分に発揮する焼入れ、焼戻しを行うことにより針軸を強化。折れにくく、曲がりにくい、適正な硬度を実現しています。また、太さ0.56mm以下の細い針は、素材にピアノ線を使用し、硬くて弾力のある針になっています。
針軸はサビに強いニッケルメッキ仕上げ。ていねいな「静止メッキ(手作業で針を揃える)」で、針先・針穴を傷めず、1本の針に均一に付くメッキをしています。さらに表面を鏡面状に仕上げることによって、いつまでも布通りのよい針に仕上げています。
ニッケルメッキ後、クロバー独自の先付研磨(先直し)で、針先から0.5mmくらいの所を円すい状に研削し、尖った針先を強化。また、針先から針軸へゆるやかな曲線にすることによって布通りのよい針先にしています。