TOPニュースキルギスの原材料を使った商品開発で、地域の活性化を目指す活動をサポート!

2025.04.15

キルギスの原材料を使った商品開発で、地域の活性化を目指す活動をサポート!

羊毛フェルトピンクッションの生まれたところ
羊毛フェルトでできたハリセンボンとはりねずみのピンクッションは、JICA(独立行政法人国際協力機構)が協力しているキルギス北東部のイシククル湖周辺域の生産者により作られています。



キルギスは、中央アジアに位置する国土全体の約40%が標高3000mを超える山国で、雄大な天山山脈、琵琶湖の9倍の面積を誇るイシククル湖、広大な森や牧草地に咲き乱れる花々など、美しい自然が特徴の国です。古くから羊や牛などの家畜を放牧させて育てる遊牧業が生活のスタイルで、ユルタと呼ばれる移動式住居やカーペットなどに羊毛を利用してきました。





キルギスでのJICAとOVOP+1の活動
キルギスでは、1991年に旧ソ連から独立して以降も安定した経済成長を遂げることができず、長年多くの人が貧しい暮らしを余儀なくされてきました。また、特に地方部では地元に産業がないために若者が海外へ流出するなどの問題を抱えています。
JICAはこのような問題を解決するべく、日本が発祥の一村一品運動を進めるための現地法人OVOP+1 [OVOP=One Village One Productの略(ひとつの村にひとつの特産を、の意味)]を立ち上げ、その活動をサポートしています。OVOP+1の活動内容は、キルギスの原材料を使った商品開発から生産指導・販売までを手掛け、地域の活性化を目指しています。その一環として行われているのが羊毛フェルト商品の生産です。
羊毛フェルトの生産者のほとんどがイシククル州の女性たちで、女性たちの生き方はOVOP+1を通じて大きく変わりました。これまで社会的地位が低く、嫁いだ後はずっと家庭を守らなければならなかった彼女達も、今は仕事のために胸を張って外出できるようになったそうです。また、自分の手でお金を稼ぎ家計を助けることで、女性の家庭内での地位向上につながっています。
OVOP+1によって、イシククル湖南岸には9つのフェルト作業場が設置され、日中は女性達の楽しげな話し声が聞こえます。作業場は職場であり、地域のコミュニティーでもあります。



現在は、JICAのサポートが終了した後もOVOP+1が正常に活動できる仕組み作りが図られています。また、イシククルの成功をモデルに、キルギス全土や周辺国までその活動が広がっています。


高い品質と、整った生産管理システム
羊毛フェルト人形は手作り品のため、作る人によって形にバラツキが出やすく、また一人あたり一日に2~3個程度しか作れず、かなりの時間を要します。
しかし、OVOP+1では、誰が作っても同一品質の商品ができる様々な工夫が施され、量産に対応できる生産体制、整備された品質管理システムを実現しています。




羊毛は品質の良いメリノウールのみを使用し、染色は地域の身近な植物を使った草木染めです。ハリセンボンの羊毛の染色には、高山植物のマメ科の植物 “エスパルセット” が使われています。エスパルセットは草木染めの他、はちみつの蜜源としても使われます。



クロバーの関わり
クロバーは手芸道具メーカーなので、羊毛を固めていく専用道具のフェルトパンチャー<3本針>を現地の生産者に使っていただいたところ、下記のような高い評価をいただきました。

商品の製造だけでなく、製造工程での作業効率向上のために、羊毛を固める専用道具として、クロバー製のフェルトパンチャー<3本針>を現地生産者の方々に使っていただきました。耐久性や使いやすさが好評で、作業時間の短縮にもつながったとのことです。



これからの羊毛フェルトの生産に、少しでもお役に立てたら嬉く思います。



関連リンク
https://www.jica.go.jp/information/topics/2022/20230124_01.html


クロバー商品情報
羊毛フェルトピンクッション<ハリセンボン>  https://clover.co.jp/products/23019
羊毛フェルトピンクッション<はりねずみ>   https://clover.co.jp/products/23020
ソーイングセット<ハリセンボン>       https://clover.co.jp/products/23021
ソーイングセット<はりねずみ>        https://clover.co.jp/products/23022
フェルトパンチャー<3本針>          https://clover.co.jp/products/58602